投稿日: 2026年06月27日
2026漢方年度小太郎漢方製薬の「漢方研究 」消夏随筆を掲載します。
文中のEテレ「こころの時代」の放送は7.13(月)夜10時、7.19(日)朝5時、『よろみ村日誌』です。
3年前、この紙面にて能登の山奥、輪島市与呂見、曹洞宗龍昌寺を初訪問した記事を書いた。金沢駅から、バスで2時間半、能登里山空港に近く、金沢駅を起点とすると小太郎漢方製薬の美川工場よりずっと遠い。この緑深い里山も2024年1月1日、能登半島地震で壊滅的な打撃を受けた。個人的には惨状を見聞きした有志で義援金を送ることぐらいしか出来なかった。被害の様子を直視出来ず、ご無沙汰していたが5月の連休、今年も正法眼蔵の勉強会を開催するとのことで2泊3日の再訪。引き続き自給自足に近い生活を営まれ、丹精込めて作られる無農薬米の販売も去年から再開されている。早朝から座禅と勤行。料理上手の奥様と現住職の息子さん夫妻の地元野菜たっぷりの手料理を味わいながら村田和樹老師の正法眼蔵現成公案の勉強会。皆さん、震災を果敢に乗り越えられておられほっとした。NHKの『こころの時代』の取材が半年間、断続的に入ったそうで、7月に放送予定らしい。那須から来られた宮大工の方が宮大工修行のお話をされたり、横浜から来られた世話人の方が神話のお話をされたり、様々な業種の参加者のコメントも刺激的。2日目の午後、奥能登へ、地元の彫刻家、奥村浩之氏の屋外モニュメントを見に出かけたものの、天候が急変し、1か所だけしか鑑賞できず、荒々しい日本海にびっくり。いたるところに震災の爪痕が残っており、珠洲市の湾岸や山あいの道路はあちこちが陥没し、何とか片側通行ができる状態。東日本大震災の時は原発の被害もあり広域で国の支援も大きかったが、能登の場合は過疎化、高齢化社会に対応した持続可能な復興とのこと、地方自治体が担う部分も多いのであろう。能登半島はとにかく広く、人口密度の低い地域などはお気の毒ながら地道に復興していくしかないらしい。和樹さんの娘さん宅も全壊し、大分の義父母宅へ引っ越されたとか。こんな自然の猛威を垣間見ると、職場のテナント料の大幅な値上げやどんどん削られる診療報酬など、ごく些細なことに見えてくる。最終日は快晴。畑に繋がる庭先や薪ストーブを囲む居間で、のびのびはしゃぐ参加者の子供達が座禅ではちゃんと静かに座り、大人達はその姿にほっこり癒された。