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(医)太一会
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ながしまクリニックCOLUMN

日田のこと

投稿日: 2013年10月28日

 日田市には漢方仲間の松浦達雄先生がおられます。地方では地域医療に邁進される先生方が限られ、休日診療所の出務もギリギリで回ってくるとか。そんな中、松浦先生は、四国八十八ヶ所を診療の合間に歩き遍路され、満願成就の高野山だけご一緒したんですよ。九州に帰省した際、永島一家は久々にお気に入りの宿、風早(かざはや)に泊まりました。気持ちの良いこじんまりしたホテルです。日田ご出身の故筑紫哲也氏が、「日田に外国からのお客様を泊めるような宿がない」と嘆かれたところ、風早のご主人が、それなら作ってやろうじゃないか、と始められたそうです。いつしか息子さん夫妻が引き継いでおられ、病床の筑後哲也氏から、結婚式に行けなくてすまない、故郷に残ってくれ嬉しいと心のこもったお祝いの手紙が、ラウンジに飾られていました。

 日田と言えば日田下駄、天領水、恩田焼き。ギャラリーで目にした、恩田焼きのお皿。以前の印象と違ってちょっと白が効いてモダンなんです。今、ある女優さんがblogで紹介してからブームだとか。若い後継者数人が牽引されているらしく、永島一家が気に入ったお皿の作者はその一人、黒田昌伸さん。なんと、風早の若主人の飲み友達でした。早速、窯元を訪ねたら直売所は本日休業。大阪のおばちゃんは、未練がましくうろちょろしていたら、ご家族が気付いてご本人が出て来られ、お安く分けて下さいました。予想通りの爽やか~な若手陶芸家でした。こうした若き後継者はどの業界にせよ頼もしいです。そう言えば漢方業界も大御所が何人も引退され、世代交代です。私もいつしか若手ではなくなって、いつまでも大したことないのですが~。

日田には、江戸時代後期の儒学者、廣瀬淡窓の私塾、咸宜園がありました。史跡が残っていて、今も訪れると当時学ばれた若い方々の真摯な気迫が感じられます。広瀬淡窓のお弟子さんの系譜に、儒者、楠本淡山、碩水の名前を見つけた時は、感激。前の大学の研究室の初代教授、楠本正継先生はその末裔なんです。勿論、お目にかかったことはありませんが、ご著書からも、伝え聞くことからも傍に居るだけでほんわかと和む人格者だったはず。そうなりたいものですね。爽やかづくしの日田市のあんまり可愛くない???ゆるキャラ、「たんそうさん」はこの広瀬淡窓のこと。ご本人はノーコメントかも?