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(医)太一会
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中央構造線沿いの癒し

投稿日: 2022年05月23日

2022年度小太郎漢方製薬『漢方研究』の消夏随筆を掲載します。

 

            

 日々、人のお悩み事を聞く仕事柄、知らず知らずのうちに、邪気を受ける。患者から受ける邪気の発散に無頓着な施術者は自己の不調を訴える方が多いように思う。私の邪気の発散方法としては、漢方薬を(補剤だけでなく瀉剤も)服用することや、操体法と正心調息法の励行などである。仕事中の防御方法としてはお札などを身に付け、少なくとも週に一度は神社や仏閣にお参りすることである。遠方まであちこちお参りするのではなく、徒歩や電車で行ける身近な範囲の馴染みのある場所、住まいと職場の氏神様や、産土神社、伏見稲荷や道修町の神農さん、河内長野の矢伏観音、家業に関連のある生國魂神社、以前このエッセイでもご紹介した日向大神宮などにお参りする。

 毎年、春のお彼岸頃、実家の数代前の本家筋、徳島へのお墓参りツアーに出かけるのだが、霊験あらたかな賢見神社に立ち寄ることにしており、毎回物好きな患者さん達数人が付いて来られる。以前このエッセイでご紹介した通り、賢見神社は、犬神憑きの呪いをも祓い得る日本唯一の神社で、奇怪な憑依物も見事に祓ってもらえる。憑き物抜きでも毎年、独特な祝詞でご祈祷していただくとすこぶる爽快なのである。

 今年は帰途、淡路島の南にある沼島に初上陸。淡路島の中央に位置する伊弉諾神宮も伊勢神宮と同じような厳かな霊気に溢れる神々しさを備えているが、沼島の自凝神社(おのころ神社)も同様に素晴らしく、島の反対側の上立神岩(かみたてがみいわ)の絶景は息を呑む程の神聖なエネルギーに溢れていた。イザナギ・イザナミの二神の国生み神話発祥の地は本当にここだと実感する。NHKのブラタモリの中央構造線特集でも、タモリが沼島の上立神岩を海路から訪れ、神話の場所に違いないと発言していたが、そのすさまじいばかりの霊気は現地でないと恐らくわからないと思う。

 いつも年末に参拝する伊勢神宮も中央構造線上にあることは良く知られている。ここしばらくは父の喪中で行けなかったので、今年は猛暑にならないうちにぜひとも参拝したい。そういえば、先程の賢見神社も中央構造線沿いに位置する。

 高野山や吉野も中央構造線沿いにある。吉野金峯山寺は母方の先祖にご縁があるため、何故か足が向き、春秋の蔵王権現のご開帳、年始やお盆には必ずお参りする。今年も青紅葉の眩しい初夏にお参りした。今年の東洋医学会は、残念ながらオンライン開催だが、金峯山寺の五條良知管長の特別講演が企画されている。知力体力とも旺盛な漢方仲間、中田英之氏が毎年、大峯奥駈修行に五條良知管長とご一緒されている繋がりからの企画かと思う。長臘の田中利典氏は吉野、熊野、高野山の世界遺産登録に尽力された方だが、五條良知管長とはご兄弟で、ひょんなことから面識を得た。自ら大峯奥駈修行を続けられる良知管長が語られる境地が楽しみである。

ブラタモリによって気付かされたのだが、私にとっての浄化スポットの多くが中央構造線沿いに見事に並んでいる。我ながらちょっと新たな発見であった。