投稿日: 2025年05月24日
2025年度、小太郎漢方製薬「漢方研究」の消夏随筆です。
昨年末、門前薬局に生薬調剤の採算が取れず4月以降、処方箋を受けることが出来ない、と電撃通達され、受け入れるしかなかった。クリニック移転から10年、この間の頑張りに今は心より感謝している。開業当初から、煎じ薬での保険診療は無理、と言われ続けて25年。昨年の診療報酬改定の締め上げも厳しく、エキス剤の薬価は多少上がっても生薬の薬価は上がらず、逆ザヤの品目もあり、生薬の保険調剤は危機的状況だ。漢方業界全体でその存続に取り組んでほしいと思う。
栃本天海堂や小太郎漢方製薬のご尽力により、エキス剤は近くの大手チェーン薬局に、煎じ薬は1駅先の栃本天海堂の直営薬局で受けてもらうことにした。もちろん、数少ない生薬調剤を受けて下さる他薬局に行って下さる患者さんもいる。19時で薬局が閉店するので、不便もあり患者さんは多少減ったが、快く通院して下さる方々に誠意をもって向き合いたいと思う。
そんな事情でクリニックとしてはやや早仕舞いとなり、気分一新のため、上高地マニアの某先生からかねてから聞いていた、上高地弾丸ツアーを試みた。ゴールデンウイーク明け、平日の診療後、夜行バスに飛び乗り、早朝5時過ぎに大正池着。その時間の上高地はさすがに空いている。奇跡の快晴。初夏の澄み切って爽やかな穂高連峰の景色を満喫。以前来た時には家族は運転で疲れ果て、現地も混雑していたが、今回はずっと空いていて、人懐っこい日本ザルにも何度も遭遇。さすがに正午近くになると河童橋周辺はインバウンド客を含めた喧噪となる。マニア先生お勧めのスパ&ランチを予約していたが、この日は昼時、数時間の停電があり、ランチの提供は中止、かわりに用意してもらったお弁当で昼食。たまたま自家発電している宿が立ち寄り湯をされているのを運よく見つけ、ほぼ貸し切り状態で大満足。なんといっても荘厳な明神池が空いていて、降り注ぐ霊気に心地よく包まれ、薬局問題での疲れが噓のように癒やされた1日だった。